ファクタリングの注意点6つ!リスクを避けて安全に利用する方法も解説
2025年5月30日
ファクタリングは、売掛債権を早期に現金化して資金繰りを改善させる手段のひとつです。借り入れとは異なり、比較的気軽に利用できるので多くの企業が利用している反面、手数料の高さ、悪徳業者の存在、償還請求権が設定されていたなど、さまざまな注意点があることも事実です。最悪の場合は「ファクタリングの利用で会社の経営が傾き倒産」といった事態も考えられます。本記事では、ファクタリングの注意点から多くのリスクが存在する理由、そして安全に利用する方法を詳しく解説します。ファクタリングの利用を検討している方は、ぜひじっくり読んでみてください。
ファクタリングの注意点6つ
ファクタリングは企業が資金調達目的として利用するもので、国内でも広まりつつあります。審査が簡易的で、資金調達までの時間も短いといった特徴もあって人気が高まっています。しかし、利用にはいくつもの注意点およびリスクがあることも事実です。こちらでは、ファクタリングの利用前に知っておいてほしい6つの注意点をわかりやすく解説します。
手数料が高く設定されている可能性がある
ファクタリングには手数料が設定されており、業者によっては高く設定されていることがあります。ファクタリングでは、売掛金の額から手数料を差し引いた金額が入金されます。したがって、手数料率が高くなればなるほど資金調達額は少なくなるのです。ファクタリングの手数料は、2社間ファクタリングと3社間ファクタリングでも異なります。2社間ファクタリングの手数料相場は10%から20%程度、3社間ファクタリングは5%から10%程度です。手数料の高い業者を選んでしまうと資金繰りがより厳しくなる可能性もあるので、十分に注意してください。
悪徳業者がいる
残念ながら、悪徳業者も存在しています。「受取り金額が著しく低下した」「ファクタリングではなく担保型のローンだった」といったケースも報告されています。とくに最近増えているのが高金利の貸付けをおこなう闇金業者の参入です。ファクタリングに見せかけた貸付けをおこない、利息制限法を超えるような金利でローンを組まされてしまいます。なお、個人向けの給与ファクタリングも悪徳業者の参入により、実態は貸付けであるケースが頻発しています。年率数百%になるような高額な手数料を請求される恐れもあるので、悪徳業者には手を出さないよう気をつけましょう。悪徳業者の見分け方については後ほど解説します。
償還請求権が設定されている場合がある
償還請求権の設定のファクタリングの注意点のひとつです。償還請求権ありの設定だと、売掛先が倒産するなどして回収が難しくなった場合は申込み企業が負担します。大きなリスクを背負うことになり、資金繰りの悪化が加速する恐れも。ただし、ファクタリングの多くは償還請求権のないノンリコース契約です。償還請求権が設定されているリコース契約は少ない傾向にあります。
取引先からの印象が悪くなる
取引先からの印象の悪化も重要な注意点のひとつです。ファクタリングには2社間ファクタリングと3社間ファクタリングがあります。2社間の場合は売掛先に知られずに利用できますが、3社間の場合は売掛先の承諾を得なければならず、ファクタリングの利用が取引先に発覚します。「資金難なのではないか」「倒産するのではないか」「経営がうまくいっていないのでは?」などと、取引先からの印象の悪化を招く恐れも……。3社間ファクタリングを利用する際は、前もって取引先に話を通すなどの対策も検討しておきましょう。
本来受け取れる金額より少なくなる
ファクタリングは売掛債権を超える資金調達はできず、手数料もあるので本来受け取れる金額より少なくなります。継続してファクタリングを利用すると、さらなる財務状況の悪化を招く恐れもあります。ファクタリングは一時的な資金難の対策には適していますが、長期的な資金対策にはおすすめできません。
審査を通過しなければ利用できない
審査を通過しなければ利用できないのも、ファクタリングの注意点のひとつです。審査対象は基本的に売掛先なので、自社の財務状況が悪かったとしても利用できる可能性はあります。しかし、審査がおこなわれる以上、審査落ちの可能性も少なからずあることは理解しておきましょう。なお、支払い期日を過ぎた不良債権は審査落ちの対象です。債権譲渡禁止特約がある売掛金は審査で不利になりやすいといった注意点も覚えておくと良いでしょう。
ファクタリングに多くのリスクがある理由
ファクタリングには、多くの注意点・リスクがあります。悪徳業者も多くいます。利用したことでさらなる資金難に陥るケースも少なくありません。こちらでは、ファクタリングに多くのリスクがある理由をわかりやすく解説します。リスクがある理由を理解すれば、より安全にファクタリングを利用できるようになるでしょう。
免許や登録が不要
ファクタリング業者は貸金業の登録申請が不要です。ファクタリングには免許や登録がないので、悪質な業者が開業しやすい傾向にあります。比較的新しいサービスなので制度も整っていないところも問題です。
法律によって規制されていない
ファクタリングの手数料は、法律によって規制されていません。貸金業における利息制限法のようなものがないため、自由に決められます。法外とも言える高額な手数料を取る悪質業者が多くいることも事実です。
気軽に利用できる
ファクタリングは融資と異なり、償還請求権が設定されていなければ返済は不要です。借入金ではないので、信用情報にも影響はありません。対面審査がなく、ネットや電話で申込むだけといったケースもあります。最短即日や翌日など短期間で資金調達でき、赤字など経営状態が悪くても利用できる可能性があります。このように気軽に利用できるのはメリットのようにも感じますが、あまりにも簡単に利用できるので安易に申込むケースが頻発しています。ファクタリングの注意点でも述べましたが、調達額は本来受け取れる金額より少なくなるため、継続的な利用はおすすめできません。
ファクタリングを安全に利用する方法
いくつも注意点を避けるためにも、ファクタリングを安全に利用する方法を解説します。悪徳業者を見抜く方法やノンリコース契約をするなどでリスクは避けられます。ぜひこちらを参考に、リクスを避けファクタリングを有効活用していきましょう。
悪徳業者の特徴を把握しておく
悪徳業者の利用を避けるためには、その特徴を把握していることが不可欠です。悪徳業者の特徴には、「見積書や契約書がない」「やり取りが電話のみ」「業者の住所がホームページに記載されていない」「手数料が高額または不明瞭」などがあります。とくに見積書や契約書といった書類の提出を避けてくる業者は、あくどいビジネスをしている可能性が高い傾向にあります。まずは見積書を出してもらい、契約時には契約書を必ず受け取ってください。
ノンリコース契約のファクタリング会社と契約する
ノンリコースの契約(償還請求権なし)であれば、売掛先が倒産しても支払い義務は発生しません。償還請求権の設定がある契約と比較して手数料が高く設定される可能性もありますが、高いリスクを背負う必要がなく安全です。なお、償還請求権のある契約を勧めてくる業者は悪徳業者の可能性もあるのでご注意ください。
信頼できる売掛先の売掛債権を選ぶ
経営が安定している、運営期間が長いなど、信頼できる売掛先の売掛債権を選んで利用するのがおすすめです。信頼できる売掛先の売掛債権はファクタリング会社から高く評価されるので、手数料が低く設定される傾向にあります。したがって、信頼できる売掛先の売掛債権を利用すれば、より効率的に資金調達できるようになるでしょう。
調達額に見合った業者を選ぶ
数十万円の調達を望んでいる会社もあれば、数千万円の調達を検討している会社もあるでしょう。ファクタリング業者にもそれぞれ対応可能額があります。調達額に見合わない業者を選ぶと、高い手数料が設定されることも考えられます。したがって、自社の調達予定額に見合った業者を選びましょう。
ファクタリングの注意点まとめ
ファクタリングには、「手数料が高く設定されている可能性がある」「悪徳業者がいる」「償還請求権が設定されている場合がある」などのさまざまな注意点があります。状況によってはさらに資金繰りが悪化する可能性もあるため、安易に申込むのはNGです。ファクタリングの注意点・リスクを避け安全に利用する方法も紹介しました。悪徳業者の特徴を知れば、優良企業を利用できる確率が高まります。ノンリコース契約であれば償還請求権なしなので、売掛先が倒産しても支払い義務はありません。信頼できる売掛先の債権を選べば低い手数料で利用できるので、効率的に資金調達できます。ファクタリングの注意点・リスクは対策することで避けられます。安全で安定した資金調達できるよう、まずは注意点・リスクを知り、そのうえでそれらを避ける方法を実践しましょう。