ファクタリングのオンライン契約とは？メリット・デメリット・選び方を徹底解説
2025年5月16日
事業における資金繰りの悩みや、急な資金が必要になった際の迅速な資金調達は、多くの事業者にとって重要な課題です。こうした場面で有効な資金調達手段として、近年注目されているのがファクタリングです。特に、手続きがオンラインで契約が完結するファクタリングサービスは、資金調達までのスピードと手軽さから関心を集めています。
本記事では、オンライン契約によるファクタリングのメリット・デメリット、具体的な利用の流れ、そして失敗しない業者選びのポイントについて詳しく解説します。
ファクタリングのオンライン契約とは？
ファクタリングのオンライン契約とは、ファクタリングの申し込みから契約、買取代金の振り込みといった一連の手続きをオンラインで完結することを意味します。「Web完結」や「ネット完結」と言われることもあります。
ファクタリングは銀行融資や補助金・助成金などに比べると、必要書類や手続きの工程が少ない資金調達方法です。
しかし、従来のファクタリングは、対面での面談や大量の紙の書類のやり取りが必要な場合が多く、時間や手間がかかることが一般的でした。
近年、オンライン契約に対応し、パソコンやスマートフォンを使って、場所や時間を選ばずに手続きを進められるケースが増えています。
ファクタリングをオンライン契約するメリット
ファクタリングをオンラインで契約する最大のメリットは、買取代金が振り込まれるまでのスピードと手続きの手軽さにあります。
まず、対面での手続きが不要なため、面談のために移動したり、時間を調整したりする必要が一切ありません。必要な書類は、スキャンしたデータやPDFファイルとしてアップロードするだけで提出できます。
対面契約を行う場合、面談の日程調整が必要です。申し込み後に必要書類を提出した際、不備が見つかれば修正のために再度面談を組む手間も生じるでしょう。書類を郵送する方法もありますが、書類がファクタリング業者に到着してからの審査となり、こちらも時間がかかります。
一方、オンライン契約は、オンライン上で書類を提出できるうえ、電子契約システムやAIを活用した審査を導入している業者もあるなど、手続き全体が効率化されている点も特徴と言えます。
申込内容や提出書類に不備がなければ即日で買取代金が振り込まれる場合もあり、急ぎで資金調達が必要な事業者にとって大きな助けとなるでしょう。
さらに、24時間いつでも申し込みを受け付けているサービスもあるため、業務が立て込んでいて昼間に手続きができないときでも、ご自身の都合の良い時間帯に手続きを進められます。
ファクタリングをオンライン契約するときのデメリット
非対面でのやり取りとなるため、担当者との直接的なコミュニケーションが少なくなりがちです。そのため、疑問点や不安な点がある場合に、その場で顔を見て相談できないことに不安を感じる方もいらっしゃるかもしれません。
また、必要書類をスキャンしたり写真撮影したりしてデータ化し送信するため、ある程度のITスキルが求められます。
手続きをしている途中で不明な点が生じたときに、電話やメールでの問い合わせで十分なサポートが得られるか、迅速に対応してもらえるかなども事前に確認しておくと良いでしょう。
手数料に関しても、オンラインだからといって必ずしも低いとは限りません。複数のサービスを比較検討し、ご自身の状況に最適な条件を提示している業者を選ぶことが大切です。
さらに、利用者とファクタリング業者、売掛先の三社で契約をする三社間ファクタリングは、売掛先に対する通知や承諾が必要になるため、多くの場合、オンライン契約は不可となっています。
ファクタリングをオンライン契約するときの手続きの流れ
ファクタリングのオンライン契約の流れはシンプルですが、ファクタリング業者によって若干、必要書類や手続きの流れが異なります。ここでは、一般的な流れについて解説します。
【Step1】申込フォームに必要事項を入力
まずは、ウェブサイト上の申し込みフォームに必要事項を入力していきます。申込内容に不備があったり、提出した書類とつじつまが合わないことがあると、ファクタリング業者から問い合わせなどがあり、買取までの時間が遅れてしまいます。急いでいるときは特に丁寧に入力するよう、心がけましょう。
【Step2】必要書類の提出
次に、必要書類の提出を求められます。主な必要書類としては、本人確認書類、財務諸表、会社の登記簿謄本（法人の場合）、通帳のコピー、そして買い取りを希望する売掛金に関する資料（請求書や契約書など）です。
事前に必要書類を確認して揃えておくと、スピーディーに手続きが進むでしょう。
オンライン契約では、必要書類をスマートフォンで撮影したりスキャンしたりして、データとしてアップロードしたうえで、ファクタリング業者に提出します。
【Step3】ファクタリング業者による審査
書類提出後、ファクタリング業者による審査が行われます。ファクタリングの審査は、自社の返済能力よりも、売掛先の支払能力が重視される点が特徴です。なぜなら、ファクタリングは、買取代金が振り込まれたあと、売掛先から入金される売掛金が返済原資となるからです。
したがって審査では、主に売掛先の信用力や売掛金の支払いの確実性などが、提出された書類に基づいて評価されます。
もちろん、利用者が買取代金を使い込んでしまうリスクもあるため、利用者の財務状況なども審査の対象となります。
【Step4】オンライン契約の締結
審査に通過すると、契約手続きに進みます。オンライン契約では、電子契約システムを利用するのが主流です。画面上で契約内容を確認し、電子署名を行うことで契約が成立します。
この契約書は必ず隅々まで確認しましょう。特に注意すべきは、ファクタリング契約が「ノンリコース契約（償還請求権なし）」になっているかです。
ファクタリングは、仮に売掛金が売掛先から入金されなかった場合でも、ファクタリング業者が回収する義務を負うノンリコース契約が基本です。
しかし、回収義務を利用者が負う「ウィズリコース契約（償還請求権あり）」になっている場合、実質的に貸金業にあたります。もしこのケースで契約しようとしている業者が、貸金業登録を受けていない場合、その業者は違法業者に該当する可能性があります。
【Step5】買取代金の入金とファクタリング業者への返済
契約成立後、ファクタリング業者から指定の銀行口座へ買取代金が入金されます。利用者とファクタリング業者の二社で契約をする二社間ファクタリングであれば、最終的に売掛先から売掛金が入金されたら、これをファクタリング業者に返済すれば、ファクタリングの一連の流れは完結します。
オンライン契約可能なファクタリング業者の選び方
オンラインで契約できるファクタリングサービスが増加していますが、多くの選択肢があるからこそ、ご自身の事業に最適なファクタリング業者を見つけることが重要です。ここではファクタリング業者を選ぶときのポイントについて解説します。
ファクタリング業者の口コミや評判を確認する
オンライン契約はファクタリング業者の担当者の顔が見えないため、より一層慎重に業者を選ぶ必要があります。ファクタリングは、貸金業のように登録をしなくても運営できるため、悪徳業者に遭遇する可能性があります。
そのため、契約をする前に、取引をしようとしているファクタリング業者の口コミや評判を確認してください。公式サイトがあるか、住所や代表者、所在地などが明記されているかどうかもチェックしておくと良いでしょう。
ファクタリング業者としての運営歴の長さや資本金、従業員数の他、SSL化といった公式サイトの信頼性なども重要なチェックポイントです。
手数料を比較する
ファクタリングは、売掛先の支払能力が重視されるため、審査に通りやすい反面、手数料が高い傾向がある資金調達方法です。
しかし、資金繰りに困っている状況につけ込んで法外な手数料を設定される場合もあるため、必ず複数業者に見積もりを取って比較することが大切です。
同じ売掛債権を複数のファクタリング業者に二重譲渡してしまうのは違法ですが、見積もりを取るだけであれば問題ありません。
またファクタリングは、売掛金の「売掛先の支払能力が高いほど」「売掛金の金額が大きいほど」「支払期日までの日数が短いほど」手数料が安くなる傾向があります※1。
さらに、同じファクタリング業者で取引回数を積み重ねると、ファクタリング業者の審査の手間が省けるため、手数料が安くなることもあります。今後も利用する可能性がある場合は、この点も考慮に入れておくと良いでしょう。
※1）手数料を一律としているファクタリング業者もあります。
買取代金を振り込むまでのスピード
急いで資金調達をしたい方は、買取代金を振り込むまでのスピードも重要になります。即日買取に対応している業者もあれば、早ければ1時間程度で買取代金を振り込む業者もあるため、ご自身のニーズに合わせてファクタリング業者を選びましょう。
ファクタリングのオンライン契約についてのまとめ
オンライン契約ができるファクタリングは、対面不要で手続きが進められることにより、スピーディーに資金調達ができる点と、手続きの手軽さにあります。
これにより、急ぎの資金調達にも柔軟に対応できる可能性が高まります。
一方、非対面ゆえの注意点や、信頼できる業者選びも重要な要素です。
ファクタリング業者を選ぶ際は、手数料やスピードだけでなく、口コミや評判、公式サイトの情報なども含めて総合的に判断することが大切です。
